2013年4月28日日曜日

現代朗読はあたらしいフェーズにはいっていく

「キッズ・イン・ザ・ダーク ~ 春の宴」や体験講座が終わり、その間も私はずっとキッズ公演の記録映像の編集をしながら、いろいろなことをかんがえていた。
またキッズ公演の参加者や来場者からさまざまなリアクションとフィードバックもあった。
昨日の体験講座でまったく初めて現代朗読に触れる人たちに説明したり、体験したりしてもらううち、私のなかでなにかがカチンと音をたてて動いたような気がした。
なかなかうまくはまらなかったパズルの最後のひとコマが、うまいぐあいにパチッとはまったような「腑に落ちた感」があった。
その瞬間、つぎの現代朗読公演「キッズ・イン・ザ・ダーク ~ 夏の陣」の基本コンセプトが決まった。


現代朗読では一貫して、エチュードと呼んでいる基本的な練習方法を使って、各自のオリジナリティを大切にしながら身体性、感受性、表現力をみがく方式をとっている。
というより、身体性や感受性の精度をあげることでしかオリジナリティの表出のクオリティをあげることはできない、とかんがえているからだ。
さまざまなエチュードがたくさんある(私が作ったのだが)。

言葉と身体をむすびつけるためのエチュード。
聴覚の解像度をあげるためのエチュード。
コミュニケーションのエチュード。
音程やリズムのエチュード。

いろいろあるが、いずれも朗読という身体表現のクオリティをあげるためのもので、ひとりでやれるものもあるが、多くはグループで実践することでより効果をあげることができる。
このエチュードは、そのままの形で、あるいは少し形を変えてユニット化し、そのユニットをつないでいく形で朗読プログラムを作る、というのが、このところの現代朗読のライブや公演方式になっている。
「春の宴」もその方式だった。

エチュードをやりこんでいくことで、朗読者はさまざまなことに「みずから」気づき、表現力を身につけていく。
また、複数名のコミュニケーションをとりながらやることで、感受性と反応反射をみがいていくことになる。
このエチュードの「やりこみ」をもっともっと深めていくことで、現代朗読はどこにもないクオリティの高い表現集団になっていくだろうし、またゼミ生ひとりひとりもまたユニークでオリジナリティのある表現者になるだろうと確信している。


現時点で私がやれることは、

・さらに効果的なエチュード(朗読プログラム)を作ること。
・群読のパフォーマンスをあげる方策をかんがえること。
・個人表現のサポートをすること。

現代朗読協会の講座やゼミでは徹底して群読エチュードをやりこみ、そのなかで全体のクオリティをあげつつ、個々の表現力も高めていってもらう。
公演では斬新な群読プログラムを提示する。
個々の朗読者についてもネットライブや個々のライブをサポートしていく。

私以外に現代朗読の演出・指導ができる者も育てたいと思っているし、げんに育ってきている。
私とはまたちがった個性による現代朗読演出が生まれる日もそう遠くないだろう。
そしてもちろん、私自身もひとりの演出家として、手抜きをしない斬新な公演を成立させていきたい。
とりあえずは次公演「キッズ・イン・ザ・ダーク 〜 夏の陣」の基本コンセプトをかためたところだ。
次回もだれも観たことのない、だれもが驚くような公演になるだろうと自負している。
(主宰・水城ゆう)

2013年4月27日土曜日

5月の現代朗読体験講座のお知らせ(4月27日)

現代朗読協会の朗読体験講座、2013年5月のお知らせです。
5月の体験講座ですが、連休があるために4月27日に繰り上げて開催します。
まったく朗読をやったことがない/ちょっとやってみたいと思っている人や、すでに経験はあるけれど朗読表現に行き詰まりを感じているような方のためにおこなう、ワークショップ形式の体験講座です。

◎日時 2013年4月27日(土)10:00〜13:00
◎場所 現代朗読協会・羽根木の家(京王井の頭線新代田駅徒歩2分)
◎参加費 2,000円

※詳細とお申し込みはこちらから。

◎こんなことをやります
現代朗読というあたらしい表現を理解するために、実際に身体を動かしたり声を出したりして体験していただきます。
毎回、下のようなプログラムからいくつかをピックアップしてご紹介する予定です。

・朗読のための声と身体の準備。
・朗読するときに起こっているさまざまなことの理解。
・朗読のためのテキストの扱い方、読み方と、朗読実践。
・柔軟でとらわれない表現をおこなうためのヒント。

前回の参加者の声はこちらに掲載しました。

2013年4月22日月曜日

4月のオーディオブック・リーダー養成講座のお知らせ


オーディオブック制作のアイ文庫では、長く聴き継がれるハイクオリティのオーディオブックの制作と、唯一無二の表現者としての読み手の育成をおこなっています。
日程の都合がつかない方は、個人セッションも受け付けていますので、気軽にお問い合わせください。

主催:アイ文庫
協力:現代朗読協会

★次世代オーディオブック・リーダー養成講座
 声優/ナレーター/朗読者のためのステップアップ講座
 申込みはこちら

【概要】
オーディオブックの読みや収録についてのノウハウとトレーニング法を一日で集中講義します。
その後1〜2か月のトレーニング期間をおいて最終収録実習をおこないます。

【詳細】

(1)集中講座
以下の日程で開催される一日集中講義を受講していただきます。
とても居心地のいい世田谷の築78年の古民家で、一日じっくり学んでいただきます。

◎日時 2013年4月22日(月)10:00〜17:00
◎場所 羽根木の家(世田谷区/京王井の頭線新代田駅からゆっくり歩いて4分)
◎受講料 33,000円

(2)トレーニング

収録用の作品を選び、(1)の内容の習得と(3)にむけての1〜2か月間のトレーニング期間を設けます。
期間中は、メールによる指導と面談(またはスカイプ、希望者のみ)で習得状況をチェックします。質問等も自由です。
理解度や技術レベルによっては現代朗読協会のワークショップに参加していだくこともあります(参加費免除)。

(3)最終収録実習

 アイ文庫のスタジオにて収録実践をおこないます。
 収録後、数日以内に評価結果をご連絡いたします。
 その結果を受けて、

 A) アイ文庫オーディオブックの本収録へと進む
 B) 現代朗読協会での実習を継続(ゼミ生登録)する
 C) 独立して自主制作

 という選択肢をご自分でえらんでいただきます。

【本講座の特徴】
オーディオブックリーダー(朗読者)は、ナレーターでもアナウンサーでもなく、声優でもない、新しい声のジャンルです。
オーディオブックの朗読にチャレンジしてみたいと思っている人が多いなか、その読みや収録についてのノウハウをしっかりとアドバイスしてくれる場所はそう多くありません。
そんななかで、アイ文庫は、今後も長くネットコンテンツとして流通していくに耐えるクオリティを持ったオーディオブックの制作とリーダーの育成にあたっています。
単なる音読コンテンツではなく、「朗読作品」としてのオーディオブックを読める人を育てることが目的です。

文芸朗読、詩曲集、教科書朗読、英語朗読などで業界随一のクオリティと実績を持つアイ文庫のオーディオブック・ディレクターが指導にあたります。
ただ読むだけではない、情報伝達のみにとどまらない、「表現」の域にまで踏みこんだクオリティの高いオーディオブック収録ができるハイレベルなリーダー(朗読者)の育成をめざします。数多くの実践的なノウハウを盛りこんだプログラムで予定しています。

アイ文庫のツイッターも参考にしてください。

2013年4月21日日曜日

「キッズ・イン・ザ・ダーク 〜 春の宴」来場者の声

アンケート用紙にたくさんの方が書きこんでくださいました。
ありがとうございます。
抜粋して紹介させていただきます。


19日分

◎非常に興味深い演出でした。笑いがあり、楽しめました。次回も楽しみにしています。山田さん、「小便」良かったですよ! 最高!

◎想像を超えた演出で面白かったです。

◎2回めの参加ですが、毎回何が起こるか予想できず、非常に独創的でわくわくしながら拝見させていただきました。楽しかったです!

◎朗読者の方々との近い距離感で感じられる臨場感が良かったです。世界に入り込みました。

◎良く分からないが、不思議な感覚につつまれた1時間半だった。はじめて参加してみましたが。

◎はじめて、このようなろうどく見ました。面白かったです。時間がアッ! とゆう間に感じました。

◎初めて経験し「体験」出来て、驚きも感動もありました。これはある種の「哲学」を見てるようでした。僕の中の一つの体験として刻んでいきたいと思います。

◎イメージしていた朗読と全く違い(笑)、とても楽しませていただきました。自由な動きと話し方が、何とも味わい深くなっていました。不思議なworldでした。

◎エキサイティングさが倍加していますた。

◎顔の表情、声、動き、服装、等、それぞれが際立っていてとても楽しかった。全体のパワー(声の響き、動き、音)を感じた。KIDを観客で観るのは初めてなので新鮮だった。感じ方がちがうなあ、と。音と一緒に朗読をするのは私の望みなので、今日のKIDは私のやりたい方向です。

◎初演時以来です。とにかく皆さんお一人お一人のパワーアップが見ていて伝わってきました。鈴の演出がとても効果的だったと思います。楽しかったです。

◎前回の集団のパフォーマンスも良かったが、一人一人の個性あふれる朗読もパワーがあり、心をゆさぶられた。

◎言葉が音楽のように聞こえる時があって、刺激的でした。

◎朗読を聞くのは昔から好きであったが、これ程芝居がかった演出は初めてである。一部能や猿楽に近いものを感じた。

◎朗読というと耳で楽しむものだと思っていましたが目でも楽しませていただけるものだと初めて知りました。おおげさにえんぎしているわけではなく、ナチュラルによまれている(所々あそばれていましたが)のにじょうけいが思いうかぶというのはすごいなと思いました。むずかしいものというイメージがなくなりました。ありがとうございました。

◎自由すぎる! 大笑いしてました。楽しいメンバーですね。一人読みもじっくり聞かせていただけて嬉しかったです。

◎時々言葉のききとりづらいところもありましたが、内容にとらわれすぎず雰囲気を楽しむパフォーマンスとして満喫させていただきました。観てる側よりプレイヤーが楽しんでいる感じで、つられて楽しかったです。

◎KIDS IN THE DARK の進化にびっくりしました。とにかくボリュームがすごいし、世界観も前と全然違ったので……(残念ながら第2回は見れなかったのですが)。出演者の皆様の体力には脱帽です。あの静止にたえるのは相当大変かと思いました。初めて、100パーセント観客として観て、力抜いて楽しめました。また次回を楽しみにしています。


20日分

◎とても楽しませていただきました。前半は動きに目が行き、「ああ、こんな自由な動きの中での朗読があるのだなあ」と思いながら見ていました。後半は目をつぶり音を楽しもうと思いました。すると、とても素晴らしい世界に入れました。その世界にひたっていると、自分の体も一緒に動いていました。

◎原体剣舞連、ぞわぞわしたー! なんかすごかったー! メロディ(?)の力も感じたー!

◎出演者の皆さんが思い思いに演じておられ、それぞれの個性が現れていました。台本の量も多く、呼吸をあわせるのも大変だったと思いますが、さすが、げろきょの皆さんのポテンシャルの高さを感じました。次は出演したいと思います(ブタカンの場所で)。

◎初めて朗読の舞台を見ましたが、とても新鮮だと感じました。一人一人の方が個性的で面白かったです。

◎初めて朗読パフォーマンスなるものを見せて頂きました。個々が生き生きと演技され、80分間もあっという間でした。伸び伸びと表現される姿に若さとさわやかさを感じました。musicもよかったです。

◎(男28歳)好みの問題もあるけど、まあ、ありなんじゃないかな。音響と照明は好きなタイプだった。

◎朗読、なんですよね。演劇ではないんですよね? 素人の私にはそのあたりがよくわからないのですが、声や、身体をたくさん使って表現するパワーに圧倒されました。別世界にきたような異界(は言いすぎ?)に来たような、不思議な感覚に落ちました。

◎とてもとても楽しませていただきました。お一人お一人が生き生きと、表現豊かでとても良かった。

2013年4月19日金曜日

キッズ・イン・ザ・ダーク 春の宴(2013.4.19/20)のお知らせ

現代朗読協会が明大前〈キッド・アイラック・アート・ホール〉でおこなう公演「キッズ・イン・ザ・ダーク」のシリーズも、今回で3回めとなります。
これまで2012年夏に初回の「キッズ・イン・ザ・ダーク」、2012年末に「キッズ・イン・ザ・ダーク 冬の陣」と開催してきましたが、今回は「キッズ・イン・ザ・ダーク 春の宴」となります。

この3月からすでにスタートしている「朗読はライブだ!」ワークショップの参加メンバーと、現代朗読協会正会員の朗読者たちが繰り広げる朗読の常識をくつがえすパフォーマンスの数々は、
回を重ねるごとに進化/深化し、ご来場の方々の驚きと共感をいただいています。

◎日時 1回め:2013年4月19日(金)19:30開場/20:00開演
    2回め:4月20日(土)12:30開場/13:00開演
◎会場 キッド・アイラック・アート・ホール(京王線明大前駅徒歩1分)
◎料金 前売り2,500円/当日3,000円

◎予約・問い合わせ
    現代朗読協会ホームページ 予約フォーム
    ※イベント名/ご希望日時/連絡先電話番号をお忘れなく。

ホールの暗闇の中に浮かび上がるのは、自由な「子ども」たち。
他のどこでも見ることのできない、現代朗読協会にしかできない、面白くて刺激的な朗読パフォーマンスを目撃してください。

◎作・構成・演出
 水城ゆう
◎出演
 内野SAYAKA/唐ひづる/KAT/佐田百絵/佐藤孟陽
 高崎梓/てんトコロ/徳永珪子/野々宮卯妙/玻瑠あつこ
 晩衛/平田修一/福豆々子/Mizukami/水城ゆう
 宮本菜穂子/山田みぞれ/美子

2013年4月6日土曜日

4月の現代朗読体験講座が終わった

2013年4月6日。
午後、体験講座。
定員いっぱいの10名の申し込みがあって、3名のキャンセル、1名の無断欠席で、6名の参加。
午前中のライブワークショップからひとり参加して、7名で開催。

一般的にかんがえられている従来朗読と現代朗読の本質的な違いについての解説。
現代朗読協会の運営体制。
表現としての現代朗読の基礎的なかんがえかた。
そういったものを説明したあと、呼吸法や発声、エチュードと進んでいった。

今回は朗読の経験者はほとんどいなかった。
表現活動すらほとんどやったことのないという人が関心を持ってくれたのには、驚くと同時にうれしくもある。
なにも表現をやったことがないという人が、ある日突然表現をやってみたいと思い立ち、そして現代朗読にたどりつくという人が多くなっているのがおもしろい。

エチュードのあとはひとりずつ読んでもらったり、演出部のてんちゃんと卯妙さんに即興パフォーマンスをやってもらったりした。
たくさんのことを伝えたが、今日も「伝えすぎ」だったかもしれない。
消化不良を起こす人もいたかもしれない。
(主宰・水城ゆう)


今日の参加者のアンケートから、抜粋して紹介する。

◎想像した以上に言葉を使った表現の多様さに驚きました。伝達手段でもあり、表現手段でもあり、存在そのものでもある言葉について、色々と考えさせられる時間でした。まずはこれからは誰かに向かって言葉を発する時、もっと色々な事に意識を向けてみたいと思います。

◎「文章の内容ではなく、読み手を伝える」ということが大きな発見でした。ただ「読むことが楽しい」だけでなく、周囲とのつながりの中で「表現」できるようになりたい、と思いました。

◎みんなで読む場合と、ひとりで読む場合で、自分自身を出せることができる範囲が違っているように感じた。ワークショップでは複数名で読むので自分がかくれているように感じて安心しているのかもしれないと思う。

◎マインドフル、呼吸、自分の内なる無意識を意識する事など、アプローチの素材が全ていつも自分が意識して来た事だったので、お話がうれしかったです。

◎普段、触れることのなかった世界に触れられて、楽しかったです。今回のことを吟味して、自分にどう活かせるのかしっかり考えていきたいです。

4月の現代朗読体験講座のお知らせ

現代朗読協会の朗読体験講座、2013年4月のお知らせです。
まったく朗読をやったことがない/ちょっとやってみたいと思っている人や、すでに経験はあるけれど朗読表現に行き詰まりを感じているような方のためにおこなう、ワークショップ形式の体験講座です。

◎日時 2013年4月6日(土)14:00〜17:00
◎場所 現代朗読協会・羽根木の家(京王井の頭線新代田駅徒歩2分)
◎参加費 2,000円

※詳細とお申し込みはこちらから。

◎こんなことをやります
現代朗読というあたらしい表現を理解するために、実際に身体を動かしたり声を出したりして体験していただきます。
毎回、下のようなプログラムからいくつかをピックアップしてご紹介する予定です。

・朗読のための声と身体の準備。
・朗読するときに起こっているさまざまなことの理解。
・朗読のためのテキストの扱い方、読み方と、朗読実践。
・柔軟でとらわれない表現をおこなうためのヒント。


前回の参加者の声を紹介します。

◎からだが凝り固まると、一点に意識が集中するので、その集中のしかたと、今回のような全体に集中力を拡散させる方法とのバランスがとれたら、モノの考え方も変わるのではないかと思いました。普段いかに身体を動かしていないかを痛感しました。同時に、読み、聴き、動くことで、とても血行がよくなったと思います。ただ、体を鍛えることだけに集中してしまうと、どんどん一点集中型になってしまうので、スポーツをするときは、音楽や声をつかっていくことが大事だと思いました。
◎言葉のしっぽ踏みは、初めて行なったので、とても新鮮でした。ワークショップを進めていくうちに少しずつ声が大きくなっていって、心が開かれていくような感じに変わっていったのが面白かったです。

◎色々と印象的な話があって面白かったです。「自分をそのまま伝える」ということは難しいですが、できると大きく世界が変わると思いました。表情とか話の調子がカタい(あと殻が厚いとか)ということを日頃からよく指摘され、自分でもそう感じるところがあるので、いずれは脱皮したいと思います。

◎朗読はコミュニケーションということを改めて実感しました。コミュニケーションなので、周りで起きていることや発せられた声、体の動き等に気づいている必要があるが、意識せずにそれができるようになりたいと思いました。

◎今の職場の空気がお通夜みたいなので、今日はとてもリラックスして参加できました。

◎みんなで体をゆらしながら読むのが楽しかったです。オリジナリティって何かな〜と、ここ1、2か月考えてはいるんですが、なかなか「コレだっ!」というのがなくて。これからも細々?「還暦ライブ」をめざして、歌や朗読の練習をしていきたいと思います。

2013年4月3日水曜日

2週間後の「キッズ春の宴」公演で出している演出指示

4月19日と20日は公演「キッズ・イン・ザ・ダーク〜春の宴〜」が明大前キッド・アイラック・アート・ホールでおこなわれる。
現代朗読では芝居やいわゆる劇団的な稽古・リハーサルというものはおこなわないのだが、それでも何度か進行を通して確認したり、プログラムを構成している各パートのエチュードの精度をあげるための練習はおこなう。
その際に、いちおう演出として私から指示を出していることもある。

演出指示のなかには普通の朗読や芝居をやっている人が聞いたらびっくりするようなことがいくつかあるらしい。
たとえば、衣装について。

現代朗読の基本的なかんがえ方のひとつに、
『「……しなければならない」と「……してはならない」を手放す』
というものがある。
読み方であれば、こういうふうに読まなければならない、とか、こう読んではならない、という指示は演出からいっさい出されない。
そのかわり出演者が向かい合うのは、自分はどう読みたいのか、というプレゼンスをともなった身体反応だ。

衣装についてもそのかんがえ方を適用する。
つまり、自由。
これまでは衣装をそろえていたこともあるけれど(色合いとかね)、今回からはさらに徹底して、好きな恰好で出演してね、といっている。
もちろん、そろえたい人はそろえるという自由も保障されている。
履物も自由。
演劇のようになにかの役を演じるのではなく、自分自身のままで読むのが朗読なのだ。


ひとつだけそろえようといっているものがあって、それはテキストだ。
即興性と自由を大切にする現代朗読において唯一ある決まりごとが「共通のテキストを使う」ということだ。
つまりおなじ台本を持つ、ということだ。
それを明示的にするために、台本は共通のものを使うことにしている。

当日おいでいただける方は、そんなところも観ていただけるとうれしい。
「キッズ・イン・ザ・ダーク〜春の宴〜」の詳細はこちら
(主宰・水城ゆう)