4月19日と20日は公演「キッズ・イン・ザ・ダーク〜春の宴〜」が明大前キッド・アイラック・アート・ホールでおこなわれる。
現代朗読では芝居やいわゆる劇団的な稽古・リハーサルというものはおこなわないのだが、それでも何度か進行を通して確認したり、プログラムを構成している各パートのエチュードの精度をあげるための練習はおこなう。
その際に、いちおう演出として私から指示を出していることもある。
演出指示のなかには普通の朗読や芝居をやっている人が聞いたらびっくりするようなことがいくつかあるらしい。
たとえば、衣装について。
現代朗読の基本的なかんがえ方のひとつに、
『「……しなければならない」と「……してはならない」を手放す』
というものがある。
読み方であれば、こういうふうに読まなければならない、とか、こう読んではならない、という指示は演出からいっさい出されない。
そのかわり出演者が向かい合うのは、自分はどう読みたいのか、というプレゼンスをともなった身体反応だ。
衣装についてもそのかんがえ方を適用する。
つまり、自由。
これまでは衣装をそろえていたこともあるけれど(色合いとかね)、今回からはさらに徹底して、好きな恰好で出演してね、といっている。
もちろん、そろえたい人はそろえるという自由も保障されている。
履物も自由。
演劇のようになにかの役を演じるのではなく、自分自身のままで読むのが朗読なのだ。
ひとつだけそろえようといっているものがあって、それはテキストだ。
即興性と自由を大切にする現代朗読において唯一ある決まりごとが「共通のテキストを使う」ということだ。
つまりおなじ台本を持つ、ということだ。
それを明示的にするために、台本は共通のものを使うことにしている。
当日おいでいただける方は、そんなところも観ていただけるとうれしい。
「キッズ・イン・ザ・ダーク〜春の宴〜」の詳細はこちら。
(主宰・水城ゆう)
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