「キッズ・イン・ザ・ダーク ~ 春の宴」や体験講座が終わり、その間も私はずっとキッズ公演の記録映像の編集をしながら、いろいろなことをかんがえていた。
またキッズ公演の参加者や来場者からさまざまなリアクションとフィードバックもあった。
昨日の体験講座でまったく初めて現代朗読に触れる人たちに説明したり、体験したりしてもらううち、私のなかでなにかがカチンと音をたてて動いたような気がした。
なかなかうまくはまらなかったパズルの最後のひとコマが、うまいぐあいにパチッとはまったような「腑に落ちた感」があった。
その瞬間、つぎの現代朗読公演「キッズ・イン・ザ・ダーク ~ 夏の陣」の基本コンセプトが決まった。
現代朗読では一貫して、エチュードと呼んでいる基本的な練習方法を使って、各自のオリジナリティを大切にしながら身体性、感受性、表現力をみがく方式をとっている。
というより、身体性や感受性の精度をあげることでしかオリジナリティの表出のクオリティをあげることはできない、とかんがえているからだ。
さまざまなエチュードがたくさんある(私が作ったのだが)。
言葉と身体をむすびつけるためのエチュード。
聴覚の解像度をあげるためのエチュード。
コミュニケーションのエチュード。
音程やリズムのエチュード。
いろいろあるが、いずれも朗読という身体表現のクオリティをあげるためのもので、ひとりでやれるものもあるが、多くはグループで実践することでより効果をあげることができる。
このエチュードは、そのままの形で、あるいは少し形を変えてユニット化し、そのユニットをつないでいく形で朗読プログラムを作る、というのが、このところの現代朗読のライブや公演方式になっている。
「春の宴」もその方式だった。
エチュードをやりこんでいくことで、朗読者はさまざまなことに「みずから」気づき、表現力を身につけていく。
また、複数名のコミュニケーションをとりながらやることで、感受性と反応反射をみがいていくことになる。
このエチュードの「やりこみ」をもっともっと深めていくことで、現代朗読はどこにもないクオリティの高い表現集団になっていくだろうし、またゼミ生ひとりひとりもまたユニークでオリジナリティのある表現者になるだろうと確信している。
現時点で私がやれることは、
・さらに効果的なエチュード(朗読プログラム)を作ること。
・群読のパフォーマンスをあげる方策をかんがえること。
・個人表現のサポートをすること。
現代朗読協会の講座やゼミでは徹底して群読エチュードをやりこみ、そのなかで全体のクオリティをあげつつ、個々の表現力も高めていってもらう。
公演では斬新な群読プログラムを提示する。
個々の朗読者についてもネットライブや個々のライブをサポートしていく。
私以外に現代朗読の演出・指導ができる者も育てたいと思っているし、げんに育ってきている。
私とはまたちがった個性による現代朗読演出が生まれる日もそう遠くないだろう。
そしてもちろん、私自身もひとりの演出家として、手抜きをしない斬新な公演を成立させていきたい。
とりあえずは次公演「キッズ・イン・ザ・ダーク 〜 夏の陣」の基本コンセプトをかためたところだ。
次回もだれも観たことのない、だれもが驚くような公演になるだろうと自負している。
(主宰・水城ゆう)
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