2010年1月8日金曜日

呼吸に使う骨格と筋肉のお勉強

 呼吸するのに使われる筋肉のことを、通称「呼吸筋」というが、具体的にどことどこの筋肉がどのように動いて骨格と連動しているのかを知っておく必要がある。
 呼吸には正常安静呼吸と努力呼吸があり、朗読や歌唱などの発声をともなう行為に使う呼吸は努力呼吸なのだが、しかしあまりに過度な「努力」は呼吸に緊張をもたらし、不安定な発声となる。どの文献にも書いていないが、私の観察と経験では、限りなく正常安静呼吸に近い努力呼吸(ゆる〜みんぐ呼吸)が自然で柔らかなその人本来の声を作れるように思う。

 正常安定呼吸はおもに、横隔膜と外肋間筋の収縮によってもたらされる。これは息を吸うときである。
 よく「腹式呼吸」という言葉が使われるが、この言葉を使うことによって非常に限定的な方向にのみ力が生まれる不自然な発声になってしまうことが多いので(とくに女性)、いったんこの言葉は忘れたほうがいい思っている。ナチュラルな呼吸は複式も胸式もなく、横隔膜も外肋間筋もともに自然に使うことで、胸郭つまり肺の膨張と収縮を自然な形でくりかえす。
 努力呼吸は胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋、内肋間筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋など、多くの筋肉が使われるが、とくに体表面に近い筋肉ではなく、体幹の筋肉いわゆるコアマッスルのほうが安定的な呼吸発声に有効である。
 コアマッスルは体育会系短期決戦型の鍛錬では強化することはできない。

 明日は体験ワークショップと、ライブワークショップの第一回の日なので、こういった知識も参加者とシェアしてみよう。

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