ゼミへの体験参加を受け付けていたので、体験講座はしばらく休んでいたんですが、4月からの体制変更を受けて、昨日、ひさしぶりに開催しました。
にわか告知だったので参加者は少なかったんですが、それでもひさしぶりに楽しく現代朗読の基本を確認しながら、進めさせていただきました。
これまで朗読を含め表現活動はやったことがないという男性、「朗読とはどういうものだと思いますか?」という質問をしたところ、つぎのような答え。
本を読んで、その内容や作者の思いを聴いている人に伝える
たいていの人は朗読というとこのようにとらえています。
しかし、これはおかしな話で、本の内容を伝えるためなら、読むのは「その人」でなくてもいいのです。
「なぜあなたはこの本を読むのですか? あなたが読む理由はなんですか?」
すべての人に私が問いかける質問をしてみたところ(ひさしぶりの感じ)、彼はうーんとかんがえこんでしまいました。
論理的にかんがえ、詰めてみると、だれかがある本を読んで人に聴いてもらいたいというのは、「自分はこの本をどのように読むのか、聴いてもらいたい」ひいては「自分自身を伝えたい」ということがわかるのです。
朗読者は「自分は目立たないように、本の内容に寄り添うように」とか、いろいろかっこいいことをいいますが、それとてなにかのニーズがあってのことで、「自分が読みたいのだ」というところははずせません。
「作者の思いを伝える」というのも、傲慢なことです。
本当のところ、作者がなにを伝えたかったのは、それはたんなる想像や妄想、推測にすぎず、たしかなことはだれにも(作者自身にすら)いえないのです。
そういう不確かなものを、現代朗読では扱うことはしません。
現代朗読ではたしかなもの、つまりいまここにある自分自身というリアルな存在そのものを根拠として、表現をおこないます。
そういうことをひさしぶりに話したり、いろいろエチュードで試したりしたんですが、さすがにこれまで朗読の経験がないというまっさらな男性は、スポンジに水が染み入るようによく理解してくれたようでした。
いっしょに参加したゼミ生も、あらたに現代朗読のコンセプトを確認したり、新規参加の方とワークができて、とても新鮮な気持ちになれて楽しかった、と感想を聞かせてくれました。
(主宰・水城ゆう)
今月はもう一回、体験講座をやります(3月21日(土)午前)。
興味のある方はどうぞ気楽にいらしてください。
詳細と参加申し込みはこちら から。
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